アシックスとオニツカタイガーは、どちらも同じ株式会社アシックスが運営するブランドです。
しかし、スポーツに特化した「アシックス」と、ファッションを重視する「オニツカタイガー」という明確な違いがあります。
なぜ同じ会社が2つのブランドを展開しているのか、その背景には深い歴史が関係しているのです。
この記事では、両者の関係性からロゴの違い、人気モデル、そしてあなたに合った一足の選び方までを分かりやすくお伝えします。
これを読めば、もう2つのブランドで迷うことはありません。
アシックスとオニツカタイガーの関係を分かりやすく解説

- アシックスとオニツカタイガーは同じ会社なの?
- オニツカタイガーがアシックスの前身というのは本当?
- 2つのブランドの決定的な違いは何?
- ロゴのデザインに込められた意味を教えて
- アシックススポーツスタイルとの棲み分けは?
- 日本生まれのブランドとしてのこだわりとは
- アシックスが展開する他のブランド一覧
アシックスとオニツカタイガーは同じ会社なの?
はい、アシックスとオニツカタイガーは、どちらも株式会社アシックスが運営しているブランドです。
同じ会社が展開していますが、それぞれのブランドでコンセプトやターゲット層がはっきりと分かれています。
百貨店をイメージすると分かりやすいかもしれません。
同じ百貨店の中に、ティーン向けのカジュアルなお店と、大人向けのシックなお店がそれぞれ入っているような感覚に近いですね。
運営している大元は同じでも、お店の雰囲気や置いている商品が全く違う、というわけです。
そのため、街にある店舗も「アシックス」と「オニツカタイガー」で別々に構えられていることがほとんどです。
ただ、アシックスの公式オンラインストアを覗いてみると、アシックス、オニツカタイガー、そして後ほど紹介するアシックスウォーキングなど、全てのブランドが同じサイト内で販売されています。
「どうして同じ会社なのに、わざわざブランドを分けているの?」と不思議に思うかもしれませんね。
その答えは、2つのブランドが持つ歴史に隠されています。
オニツカタイガーがアシックスの前身というのは本当?
はい、その通りで、オニツカタイガーはアシックスの前身となったブランドです。
ブランドの始まりは、1949年に鬼塚喜八郎氏が創業した鬼塚商会(後のオニツカ株式会社)までさかのぼります。
このオニツカ株式会社が作ったブランドが「オニツカタイガー」でした。
その後、1977年にオニツカ株式会社は他のスポーツウェアメーカーなどと合併し、社名を「株式会社アシックス」に変更したのです。
この合併を機に、競技用シューズのブランド名は「アシックス」に統一され、「オニツカタイガー」のブランド名は一度姿を消すことになりました。
しかし、オニツカタイガーが持つレトロでおしゃれなデザインは海外で根強い人気があり、復刻を望む声が多く上がっていました。
その声に応える形で、2002年にファッションブランドとして「オニツカタイガー」が復活を果たした、という経緯があるんです。
つまり、もともとは一つのブランドだったものが、会社の成長と時代の変化に合わせて、スポーツ専門の「アシックス」と、ファッション専門の「オニツカタイガー」に分かれていった、と考えると分かりやすいでしょう。
2つのブランドの決定的な違いは何?
アシックスとオニツカタイガーの最も大きな違いは、ブランドの立ち位置、つまり「ポジショニング」です。
アシックスは「スポーツブランド」、オニツカタイガーは「ファッションブランド」として、明確に区別されています。
それぞれの特徴を簡単に表にまとめてみました。
ブランド名 | ポジショニング | 主な特徴 |
アシックス | スポーツブランド | 最新技術を駆使した機能性重視の製品。陸上やテニスなどプロアスリート向けから、ランニングやウォーキング用まで幅広く展開。 |
オニツカタイガー | ファッションブランド | 過去の製品をベースにしたレトロでスタイリッシュなデザイン。普段使いのおしゃれを楽しむためのスニーカーやアパレルが中心。 |
例えば、本格的にランニングを始めたい人がシューズを探すなら、アシックスのお店に行くのが正解です。
そこでは、足の形や走り方の癖に合わせて、専門のスタッフが最適な一足を選んでくれます。
一方で、普段のコーディネートに合わせるおしゃれなスニーカーが欲しい、という場合はオニツカタイガーがぴったりです。
レトロな雰囲気のデザインは、ファッションのアクセントとして活躍してくれるでしょう。
このように、使う目的がはっきりと分かれているのが、2つのブランドの最も大きな違いと言えます。
ロゴのデザインに込められた意味を教えて
それぞれのロゴにも、ブランドの目指す方向性の違いが表れています。
アシックスのロゴは、躍動感のある小文字の「a」をモチーフにした「アシックスストライプ」が特徴です。
これは、ラテン語の「健全なる精神は健全なる身体にこそ宿るべし(Anima Sana In Corpore Sano)」という言葉の頭文字をとって名付けられました。
この言葉はアシックスの社名の由来にもなっており、スポーツを通じて青少年を健全に育成したいという創業者の想いが込められています。
ロゴの渦巻くようなデザインは、アスリートのダイナミックな動きや、未来へ向かうスピード感を表現しているんですよ。
一方、オニツカタイガーのロゴは、その名の通り「虎」をモチーフにしています。
これは、創業者の鬼塚氏が「千里の道も一歩から」ということわざと、アジアで最も強い動物である虎にあやかって採用したものです。
力強さとしなやかさを兼ね備えた虎の姿は、ブランドが持つスタイリッシュなイメージと重なります。
また、シューズのサイドに入っている「オニツカタイガーストライプ」は、1966年に初めて登場して以来、ブランドの象徴として愛され続けています。
このストライプは、元々はデザイン性だけでなく、靴の補強のために考案された機能的な側面も持っていました。
アシックススポーツスタイルとの棲み分けは?
アシックスには「アシックススポーツスタイル」という、もう一つのカテゴリーが存在します。
これは、アシックスとオニツカタイガーの中間のような位置づけで、スポーツテクノロジーとファッションを融合させたブランドです。
それぞれの違いを分かりやすく説明しますね。
アシックススポーツスタイルとは?
アシックスが持つ最新の衝撃吸収技術「GEL(ゲル)」などを搭載しつつ、デザインは街履きしやすいようにアップデートされています。
つまり、「スポーツブランドならではの高い機能性は欲しいけれど、デザインもおしゃれなものがいい」という方のためのスニーカーが揃っているのです。
過去に人気を博した競技用シューズをベースに、現代のライフスタイルに合わせて再設計したモデルが多く見られます。
H4:オニツカタイガーとの違い
オニツカタイガーが、レトロなデザインそのものを楽しむファッションアイテムであるのに対し、アシックススポーツスタイルは、あくまでも「機能性」が土台にあります。
オニツカタイガーの靴は、どちらかといえばデザイン重視。
もちろん歩きやすいですが、長距離のランニングなどには向いていません。
一方、アシックススポーツスタイルの靴は、長時間歩いたり、軽い運動をしたりしても疲れにくいように設計されています。
「普段使いがメインだけど、快適な履き心地は譲れない」という方に、ぴったりの選択肢と言えるでしょう。
日本生まれのブランドとしてのこだわりとは
アシックスとオニツカタイガーは、どちらも日本発のブランドとして、世界に誇る「モノづくり」へのこだわりを持っています。
そのこだわりを象徴するのが「NIPPON MADE(ニッポンメイド)」シリーズです。
これは、オニツカタイガーが展開する最上級のコレクションで、日本の職人技術が結集されています。
素材選びから始まり、染色、縫製、仕上げに至るまで、すべての工程を日本国内の工場で、職人が一つひとつ手作業で行っているのが特徴です。
例えば、革の洗い加工による独特の風合いや、細部まで行き届いた美しいステッチワークなど、機械生産では決して真似のできない温かみと高級感が生まれます。
価格は一般的なモデルよりも高価になりますが、その分、長く大切に履き続けたいと思える特別な一足に出会えるはずです。
こうした手間を惜しまない製品作りは、創業当時から受け継がれる「優れた製品で社会に貢献する」という精神の表れと言えるでしょう。
日本の職人魂が込められたスニーカーは、海外のファッション好きからも高く評価されており、ブランドの価値をさらに高めています。
アシックスが展開する他のブランド一覧
株式会社アシックスは、これまで紹介してきた「アシックス」や「オニツカタイガー」以外にも、様々なブランドを展開しています。
それぞれのターゲットや目的に合わせて細かくブランド分けされているのが特徴です。
ここでは、代表的なブランドをいくつかご紹介します。
ブランド名 | ターゲット/特徴 |
ASICS WALKING (アシックスウォーキング) | ビジネスシーンや普段の外出で使える、歩きやすさを追求した革靴やパンプス。長時間歩いても疲れにくいのが魅力です。 |
Runwalk (ランウォーク) | 「走れるビジネスシューズ」がコンセプト。スニーカーのような履き心地の革靴で、外回りが多いビジネスパーソンに人気です。 |
pedala (ペダラ) | 「足と歩きのメカニズム」を追求した、大人の女性向けのウォーキングシューズ。上品なデザインで、旅行やお出かけにぴったり。 |
HAGLÖFS (ホグロフス) | スウェーデン発祥のアウトドアブランド。アシックスが2010年に買収し、現在はグループ傘下です。本格的な登山ウェアやバックパックなどを展開。 |
このように、アシックスのグループ全体を見ると、スポーツシーンだけでなく、私たちの日常生活の様々な場面を支える製品を作っていることが分かります。
自分の目的やライフスタイルに合わせてブランドを選べるのは、消費者にとって大きなメリットですよね。
アシックスとオニツカタイガーの関係から見るブランドの選び方

- オニツカタイガーが今、世界で人気の理由
- オニツカタイガーを履いている人の年齢層は?
- 価格帯にはどのくらいの差があるの?
- それぞれのブランドの代表的な人気モデルを紹介
- 昔のモデルが復刻されている理由は?
- 結局どっちを選べばいい?目的別の選び方
オニツカタイガーが今、世界で人気の理由
オニツカタイガーが今、世界中で人気を集めている一番の理由は、そのレトロで普遍的なデザインが、現在のファッショントレンドにぴったり合っているからです。
70年代や80年代のスタイルを彷彿とさせるヴィンテージスニーカーは、ここ数年の大きな流行の一つになっています。
その中で、オニツカタイガーが持つクラシックな雰囲気は、まさにおしゃれの最前線として受け入れられているのです。
この人気を後押ししたのが、映画や海外セレブの影響です。
有名な話ですが、2003年公開の映画『キル・ビル』で、主演女優が鮮やかな黄色のオニツカタイガーを履いていたことで、世界的に知名度が爆発しました。
最近でも、海外の有名モデルやインフルエンサーがプライベートで愛用している姿がSNSなどで拡散され、ファッション感度の高い若者たちの間で「クールなスニーカー」としての地位を確立しています。
さらに、日本発のブランドならではの「品質の高さ」も、人気の理由として見逃せません。
特に「NIPPON MADE」シリーズに代表されるような、日本の職人による丁寧な手仕事は、本物志向の大人たちから絶大な信頼を得ています。
細部までこだわって作られた一足は、単なるスニーカーではなく、長く愛せる工芸品のような価値を持っていると感じる人も多いでしょう。
オニツカタイガーを履いている人の年齢層は?
オニツカタイガーは、20代から40代のファッション好きを中心に、実はかなり幅広い年齢層の人々に愛用されています。
その理由は、シンプルで飽きのこないデザインが、どんな世代のファッションにも自然に溶け込むからです。
各世代からの支持される理由
まず、20代の若者たちにとっては、レトロなデザインが新鮮でおしゃれなアイテムとして映ります。
Y2Kファッションなどのリバイバルブームもあり、足元にクラシックなスニーカーを取り入れるのがトレンドになっています。
次に、30代から40代の世代にとっては、どこか懐かしさを感じる存在です。
昔流行ったモデルを改めて履くことで、新鮮さと安心感の両方を感じられる点が魅力となっています。
また、質の良いものを長く使いたいと考える年代でもあるため、丁寧な作りのオニツカタイガーが選ばれやすい傾向にあります。
そして50代以上の方々の中には、かつてオニツカタイガーが競技用シューズだった時代を知っている人もいます。
そうした方々にとっては、青春時代を思い出すような特別な一足であり、その履き心地の良さから普段使いに選ぶ方も少なくありません。
このように、世代ごとに異なる魅力を提供できるのが、オニツカタイガーの強みと言えますね。
価格帯にはどのくらいの差があるの?
アシックスとオニツカタイガーでは、全体的にオニツカタイガーの方が高価な傾向にあります。
これは、それぞれのブランドが持つポジショニングの違いが、価格設定に反映されているためです。
おおよその価格帯をブランドごとに比較してみましょう。
ブランド/カテゴリー | 主な価格帯(目安) | 特徴 |
アシックス(ランニングシューズ) | 約10,000円~20,000円 | 機能性重視。初心者向けから上級者向けまで幅広い。 |
アシックススポーツスタイル | 約12,000円~18,000円 | 機能性とデザイン性を両立。 |
オニツカタイガー(定番モデル) | 約15,000円~25,000円 | ファッションアイテムとしての価値が価格に反映。 |
オニツカタイガー(NIPPON MADE) | 約30,000円~ | 職人の手作業による付加価値。最高級ライン。 |
アシックスのランニングシューズは、多くの人がスポーツを楽しめるよう、機能性を追求しつつも比較的手に取りやすい価格帯が中心です。
一方で、オニツカタイガーはファッションブランドとしての位置づけが強いため、デザイン性や素材へのこだわり、ブランドイメージといった付加価値が価格に含まれています。
特に、日本の職人技術を結集した「NIPPON MADE」シリーズは、その希少性や品質の高さから、スニーカーとしては高価格帯に設定されています。
どちらが良いというわけではなく、機能性を求めるか、ファッション性を求めるかという目的の違いが、この価格差に表れているのです。
それぞれのブランドの代表的な人気モデルを紹介
どちらのブランドにも、長年愛され続けている象徴的なモデルが存在します。
ここでは、アシックスとオニツカタイガー、それぞれの代表的な人気モデルをいくつかピックアップしてご紹介しますね。
オニツカタイガーの人気モデル
オニツカタイガーといえば、やはり「MEXICO 66(メキシコ 66)」が外せません。
薄いソールとシャープなシルエット、そしてサイドのオニツカタイガーストライプが特徴で、ブランドの顔とも言える一足です。
どんなファッションにも合わせやすく、一足持っていると非常に重宝します。
もう一つは、「SERRANO(セラーノ)」です。
陸上スパイクシューズをヒントに作られており、全体的に軽く、すっきりとしたデザインが人気を集めています。
アシックスの人気モデル
アシックスでは、ランニングシューズの「GEL-KAYANO(ゲルカヤノ)」シリーズが非常に有名です。
優れた安定性とクッション性を誇り、初心者のランナーからシリアスランナーまで、多くの人の足をサポートし続けています。
また、ファッションシーンで人気なのが、アシックススポーツスタイルのモデルです。
例えば「GEL-NYC(ゲルエヌワイシー)」は、過去の複数のモデルのデザインを融合させた、現代的なデザインで注目を集めています。
高い機能性を持ちながら、街履きとしてもおしゃれに履きこなせるのが魅力です。
昔のモデルが復刻されている理由は?
オニツカタイガーやアシックススポーツスタイルで、昔のモデルが次々と復刻されているのは、大きく3つの理由があります。
第一に、現在のファッション業界でレトロなデザインが大きなトレンドになっていることです。
70年代、80年代、さらには2000年代初頭のY2Kファッションといった過去のスタイルがリバイバルしており、それに合わせて当時のスニーカーデザインが再評価されています。
昔のデザインが、今の若い世代には新鮮でおしゃれなものとして受け入れられているのです。
第二の理由は、それらのモデルが持つ「時代を超えた普遍的なデザイン性」です。
例えばオニツカタイガーの「MEXICO 66」は、数十年前のデザインでありながら、今見ても全く古さを感じさせません。
完成されたデザインは流行り廃りがなく、いつの時代も人々の心を惹きつける力を持っています。
第三に、製品の背景にある「物語性」を重視する消費者が増えていることも挙げられます。
ただ新しいだけの製品ではなく、どんな歴史を経て生まれたのか、どんなこだわりが込められているのか、といったストーリーに価値を感じる人が多くなりました。
過去のアーカイブからモデルを復刻することは、ブランドが持つ豊かな歴史を消費者に伝える絶好の機会となるのです。
結局どっちを選べばいい?目的別の選び方
アシックスとオニツカタイガー、結局どちらを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
答えはシンプルで、あなたが「スニーカーに何を一番求めるか」という目的によって決まります。
あなたの目的に合わせて、最適なブランドを選んでみてください。
こんな人にはこのブランドがおすすめ
- 本格的にランニングやスポーツをしたい → アシックス
最新のテクノロジーが詰まったアシックスのシューズは、あなたのパフォーマンスを最大限に引き出してくれます。ケガの予防にもつながり、快適なスポーツライフをサポートしてくれるでしょう。 - ファッションの主役になるおしゃれなスニーカーが欲しい → オニツカタイガー
コーディネートのアクセントになるスタイリッシュなスニーカーを探しているなら、オニツカタイガーがぴったりです。レトロで洗練されたデザインは、履くだけで気分を上げてくれます。 - 履き心地の良さもデザイン性も諦めたくない → アシックススポーツスタイル
「長時間歩いても疲れない靴がいいけど、見た目も大事」という欲張りなあなたには、アシックススポーツスタイルがおすすめです。アシックスが誇る機能性と、街に馴染むファッション性を両立した、良いとこ取りのモデルが見つかります。
このように、ご自身のライフスタイルやスニーカーを履くシーンを思い浮かべながら選ぶと、きっと満足のいく一足に出会えるはずです。
アシックスとオニツカタイガーの関係まとめ
- アシックスとオニツカタイガーは、同じ株式会社アシックスのブランドです。
- 歴史をたどると、オニツカタイガーがアシックスの前身となった関係にあります。
- 最大の違いは、アシックスが「スポーツ」、オニツカタイガーが「ファッション」と立ち位置を明確に分けている点です。
- ロゴのデザインにも違いがあり、それぞれのブランドが持つコンセプトを象徴しています。
- 価格帯はデザインや素材にこだわるオニツカタイガーの方が高価な傾向です。
- 人気モデルは、オニツカタイガーなら「MEXICO 66」、アシックスなら高機能なランニングシューズが代表的です。
- 選び方の基本は目的別。スポーツならアシックス、おしゃれ目的ならオニツカタイガーを選びましょう。